香川県高松市丸亀商店街を視察してきました。その報告書です。

香川県高松市丸亀商店街視察報告書

平成26年10月22日午前10時

事務所にて

参加人員:千綿議員、西岡議員

理事長より説明

  1. 丸亀商店街の売り上げがピークの時(20年前)に、全国の中心商店街の活性化の失敗例を調査することにした、その中には佐賀市のエスプラッツも含まれていた。
  2. 大店法の改正で周辺に丸亀商店街の10倍以上の面積が数店出来売り上げが激減した。
  3. 大手流通業者の売り上げは本店主義のため地元には税金が落ちない、都市計画地域は生活インフラの整備を終えているため、市役所も新たなる支出が要らない、今後の高齢化社会を見据えた場合にはコンパクトシティである必要がある、市役所の支出を考えた場合も中心市街地の活性化は投資対効果の面では少なくてすむ。
  4. 中心市街地の失敗例で学んだことは①自治体主導ではダメである。②流通企業を誘致するような自治体は自治体はダメである。
  5. 再開発を考えたときに一番の抵抗勢力は高松市役所であり、香川県だった。直接経産省と交渉していった。
  6. それまでの再開発の一番の問題は土地の所有権だった、そこで丸亀商店街では60年の長期の定期借地権方式をとった。これを取り入れることで土地の購入費がイニシャルコストとして要らなくなったことで、再開発の予算を3分の1にする事が出来た。
  7. 丸亀商店街の第一期の再開発は普通の3分の1の69億2000万円である、その費用も国交省の補助などをいただき、地元負担は2億6千万円で出来た。(市役所主導だと国交省だけからの補助だが、丸亀は他の省庁からの補助をもらっている)
  8. 5階以上をマンションとして販売しているが、他のマンションは3500万円の売り出し価格だが、丸亀は2千万円以内で販売している、全体計画が400個を予定しているが200個は完売し予約も入っている。
  9. 全体計画の中で中心となる真ん中の商店街で4Fと5Fで自治会立の診療所を開設している(ぜんぶで7名常駐3名)、上のマンションは病室として見ると、往診が出来る。住む方に取っても病院があることで安心。

10. 最終的にはマンションを結ぶ通路を作る予定である。

11. 中心市街地が必要な条件は衣食住である、その為周辺の農家の強力で有機農家の農産物を販売してみたが1本250円のニンジンが売れている。その為今後は中心に市場を建設予定(約500坪)

12. 丸亀長商店街の成功の要因は基本となる駐車場収入があること(年間4億の売り上げで純利益2億円)。

13. テナントミックスを目指した、一期工事に時は27名の地権者が居て、そのまま店舗を借りた方が13名、今では3名刺しか残っていない。店舗に入るときに売り上げの下限を決めてそれを割り込んだときは出ていくと言う契約になっている。

14. 全部の事業完成後は固定資産税は9倍の10億円に登る予定。

所感

  1. 中心市街地の開発を税金面で説明していただいた、再開発することで固定資産税が9倍になるとのこと、全部の開発が終了すると税収が10億円になるという、これは自治体にとっては大きな税収増をもたらす。
  2. 再開発において大事な事は土地の所有権と利用権を分けた、定期借地権の手法は自治体にはとれないとのこと、財産権の侵害などの問題があり自治体では無理であるため、地元の取り組みに期待するしか無い。
  3. 中心市街地の活性化は市役所がそろえるインフラにかかる金額が少なくてすみ、増収効果が見込める、しかも、地元企業が儲かることにより税金として入ってくることになるため一石二鳥である。
  4. 中心市街地に必要なものは衣食住と、住んでわくわくするようなことが必要である。他の商店街は食の部分で買い物難民化しているところが多い、周辺の一次産業と連携することでこの問題を解決している。
  5. 今後大手流通は撤退するところが出てくると思う、その時のためにコンパクトシティは必要なことだと考える。

2014-10-22 09.46.04

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