全国1万5000橋が寿命
【話題】
2013年4月11日 掲載
瀬戸大橋は亀裂を4年も放置
瀬戸大橋に金属疲労による亀裂が11カ所見つかり問題になっている。天井板が崩落した山梨の「笹子トンネル」をほうふつとさせる事態だ。
亀裂が見つかったのは09年。いずれも5ミリ前後で、車道を支える鉄製の継ぎ目部分である。だが、直下に鉄道が走っているため、本格的な改修工事ができず、金属がさびないように応急処置の塗装でしのいでいる。そのまま4年も放置されていたとは恐ろしい話だ。
「瀬戸大橋は1988年4月に開通し、10日で25年。橋の寿命は一般的に50年といわれます。半分で11カ所の亀裂が見つかったのは深刻ですが、これで驚いてはいけません。実は老朽化した橋梁の修繕はほとんどが手付かずで、瀬戸大橋は氷山の一角なのです」(業界関係者)
国交省によれば、橋長15メートル以上の橋梁は全国に約15万7000あって、そのうち“寿命”の築後50年以上の割合は9%の約1万5000(11年時点)。10年後には28%、20年後には53%とどんどん増えていく。
「高齢化が進んでいるのに、修繕率は圧倒的に低い。地方公共団体における修繕実施状況は、要修繕橋梁6万704橋のうち、実施済みは6476橋。11%なのです」(国交省事情通)
<東京の修繕率は1割以下>
ちなみに東京は要修繕橋梁1358橋のうち実施済みが114橋(12年4月現在=以下同)、神奈川が1340橋のうち91橋、千葉が1007橋のうち91橋と、いずれも1割に満たない。関東では埼玉だけが429橋のうち113橋と2割を超えている。
修繕実施率が全国最も高い山形でさえ、40.2%と半数に届かないのだ。
大惨事がいつ起こっても不思議ではない!?