不妊治療助成、年齢制限を検討 厚労省、回数も見直しへ
【佐々木英輔、下司佳代子】体外受精などの不妊治療にかかる費用の助成について、厚生労働省は対象年齢や回数などの条件を見直す検討を始める。助成対象は年間11万件に増え、費用は国と自治体で約200億円に上る。年齢が高いほど妊娠しにくくなる傾向があり、近く検討会を設け、効果的な助成のあり方を検討する。
助成事業は少子化対策の一環で2004年度に始まった。現在は年収730万円までの夫婦を対象に、1回あたり最大15万円を助成している。回数は5年間で10回まで。さらに1年目は3回まで、2年目以降は年2回までと制限があるものの年齢制限はない。助成件数は04年度は1万7千件だったが、その後の対象拡大もあり07年度は6万件、11年度は11万件と増えた。
厚労省研究班の分析では、不妊治療で赤ちゃんを授かる割合は32歳までは20%でほぼ横ばいだが、36歳ごろから急に下がり、40歳では8%になる。流産のリスクも年齢とともに上がる。一方で、治療を受ける人の年齢も上がり、40歳以上が占める率は07年が31%、10年が36%だった。